一樹:
それまでのお話は、何年前くらいの出来事ですか?
亜紗比さん:
初めて行ったのは6年前くらい。
一樹:
もう結構前ですね。
亜紗比さん:
前ですね、24歳。
一樹:
それで、てんつくマンとの出会いは?
亜紗比さん:
去年なんです。
ティウロンとは、個人的に付き合いをしていて、
2年位前に向こうのお父さんから手紙が来たんですよ。
その手紙に「仕事が無いから都会の方にお父さんが出稼ぎに行って、
子供達と離れて仕事をしてるよ」って書いてあって。
だいたい農業なんですけど、雨が降らないと農業も出来ないし。
「お父さんはすごく寂しい」っていう事も言っていたから。
ティウロン村は、ほんとに何もない村だけど、「家族」っていうものがある。
一樹:
素敵な村ですね。
今の日本には、とても必要なことですよね。
亜紗比さん:
なのに、その「家族」が無くなったら、
何も無くなっちゃうんじゃないかと思って・・・。
どうにか家族が一緒に住める環境にしたいっていうのがあって。
まぁ、自分一人でできるとは思っていなかったけど、
でもその思いに自分が動いたら、その動いている自分を見て、
きっとお父さん達にも何か思いが伝わるんじゃないかなと思って。
一樹:
凄いですね・・・。
人口は何人位なんですか?
亜紗比さん:
100人くらい。
一樹:
100人!?
亜紗比さん:
25世帯位だけど、でもやっぱり生活がキツイから
どんどんみんな出て行っちゃう。
だから今はもっと少ないかも。
一樹:
そうなんですか。
それはやっぱり仕事が無いからですか?
亜紗比さん:
仕事も無いし、水が汚いっていうのは生活するのにちょっと大変かな。
ドラム缶に水を溜めてるっていう・・・。
一樹:
井戸は掘れないんですか?
亜紗比さん:
井戸を試みた人もいるんですけど、水が出ない。
お金を貯めて「じゃあ掘ろう!」ってなっても、何万円もかかるんですね。
だからみんなが集めた募金をそれで使って、
いざ水が出なかったらって思うと、使えなくて・・・。
だったら確実なタンク。
今は錆々のドラム缶に入れてるから、
錆びないタンクに水を溜めたいなと思って。
一樹:
そうですよね、まずは確かな方法から
少しづつ切り開いてゆくことって、とても大切ですよね。
マレーシア・ボルネオ島のサバ州にティウロンという人口100人程の小さな小さな村があります。
でも、その村は水道がなく、雨水だけで生活をしています。
いつもは、雨水をタンクに貯めて飲料水、水浴び、洗濯に使っています。
そんな村に、2001年8月に私はホームステイに行きました。
村の人々はとても歓迎してくれ、私に大切な宝物をプレゼントしてくれる女の子もいました。
お礼がしたいと思い、私の持ち物で何か欲しい物はないか尋ねたところ…
『何もいらない。あなたに出会えたことが、何よりものプレゼントだ』と言ってくれました。
帰り際、ホームステイ先のお父さんと握手をすると、
その手の中にはお金が含まれていました。
日本円にすれば数百円だと思いますが、
それほどまでに重みのあるお金を手にしたことはありません。
自分よりもきれいな服を着て、きれいな靴を履いている私に…
あなたなら、裕福に暮らしている相手にお金をあげようと思いますか?
ボロボロになった子供達の服を一枚買うこともためらい、
生活に困っている人が裕福な日本人に、幸せを願ってお金を差出すのです。
私は涙があふれて受けとることが出来ませんでした。
私は、少しでもその家族と村が住みよい環境になるように
植林の為の募金活動を、2007年の2月から個人で始めました。
そして、この村などへの植林・農村体験ツアーを2008年の7月末頃、
オイスカ中部日本研修センターが協力して作って下さることになりました。
一人でも多くの人に現地の状況を知ってもらいたいという想いと、
何よりも現地の人の優しさに触れて欲しいと思っています。
一本の苗木からいくつもの実が実るように、たくさんの可能性を苗木に込めたいと思っています。
植林をして実が実れば生活の糧になります。
たくさんの苗木が森になれば、雨も降ります。
いつか 苗木に実が実る頃、 離れ離れになっている家族が共に暮らせることを願って…
(河合 亜紗比)
★植林ツアーの参加希望や、活動へのお問い合わせは、
『ティウロン村の笑顔を守りたい』HPへ
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