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抱っこ法:下和田 実

1 対談を始める前に・・・

2008年7月12日。
Peacefulスタッフの伊藤一樹とリュートは、
滋賀県で行われた、とあるワークショップに参加させて頂きました。

そこでは、『抱っこ法』というものを世の中に伝えている、
下和田 実(しもわだ みのる)さんという講師の方とのご縁を頂きました。

この下和田さんの想いを、是非Peacefulに足を運んで下さった皆さんにも
お伝えしたい。

そんな想いから、いつものように対談インタビューをさせて頂きました。
この『抱っこ法』というものを言葉でお伝えするのが難しく、
第1話としまして、対談前に行われた下和田さんの講演会で
体験した私(一樹)の感想から始めていきたいと思います。

全15話となります。
子育てに悩まれているお母さんには、是非読んでいただきたいです。
よろしくお願いします。

☆★☆★☆★☆★

インタビューに先がけて、
その日の午前中に抱っこ法のワークショップをされるということで、
私たちも参加させてもらいました。

今回は抱っこ法を体験したことのあるお母さんが、
ぜひ自分の周りのお母さん友達にもそのよさを知ってもらいたいと企画した会で、
私たちを含め人数も10名程度のアットホームな雰囲気でした。

下和田さんは抱っこ法についての説明を一言でするのは難しいのですが・・・
と前置きしてから、私なりの言葉にすると「抱っこ法とは、
抱っこという親密なふれあいを通して、子どもの心と体を包み込み、
親と子の心をつなぐ心理技法です」と話し始めました。
そして今日みなさんにお伝えしたいことは

1.泣くことの効果とその意味
2.触れることの大切さ
3.苦しさのからくり

この3つですとポイントを明確にして内容に入っていかれました。

まず「泣くこと」については、笑うことが体にいいことはよく知られていますが、
涙の中にストレス発散物質が含まれていること、
また笑った時より泣いた時の方がストレス解消効果が高いという
研究結果が出されていることなどを紹介し、泣くことの効能を説明されました。

さらに子どもが泣くことの意味として、

1.お腹すいた、オムツ替えてなどの大切な要求を伝える泣きと
2.心にたまった感情を泣いて発散する感情解放の泣きと
3.未練心を断ち切って年齢相応に振舞うための自立に向けての泣きがあることを

いくつかの例をあげて説明されました。
まとめると「子どもが泣くのは自らの自然治癒力を発揮し、
存在感をはぐくみながら、年齢相応に振る舞うために未練心を
断ち切り立派なお兄ちゃんお姉ちゃんになるために必要なもの」だということでした。

そして、子どもに泣かれると自分が責められているようで辛くなるという
お母さんがいらっしゃいますが、今説明したように泣くことは子どもにとってとても大切なことで、
決してお母さんを責めているわけではないので、
安心して泣かせてあげてくださいねと付け加えられました。

続いて「触れることの大切さ」については、実際に肩に手を置いて「大丈夫?」
と聞いてもらうワークをしました。

ただ肩に触れてもらうだけなのに、
触れてもらっている時と触れずに言葉だけで
聞かれる時とではその体験は全く違っていて、
「大丈夫?」と聞かれているだけなのに気持ちが溢れて涙ぐまれる
参加者もいてスキンシップの大切さを改めて実感できる体験となりました。

「泣いているお子さんを抱っこしてあげようとして、
余計に暴れられて、抱っこが嫌なのかと思い一人で泣かせていたという体験はありませんか?」
と下和田さんは質問されました。

「うんうん」とうなずく参加者、下和田さんは続けて「そのときお子さんは
決してお母さんの抱っこを嫌がっているわけではないのです。

今体験したようにお母さんに触れられると自分の本音の気持ちが溢れてしまうから、
あたかも抱かれるのを嫌がるような振る舞いをしてしまうのです。

この時の本音の気持ちとは、お母さんに触れられると泣きたい気持ちが溢れちゃうよとか、
優しくされると一人では頑張れなくなちゃうよなどが考えられます。

ですので、あたかも嫌がっているかのように見えても、
本心ではこの胸のうちをお母さんにわかってもらって、
お母さんの抱っこで心ゆくまで泣かせてもらいたい、というのが子どもの本当の願いなので、
自信を持ってお子さんを抱きとめて、思う存分泣かせてあげてくださいね」と話されました。

3つ目の苦しさのからくりとは、泣いて訴えて慰められるという自然治癒力が働かなくなると、
子どもは心ならずも親しい大人の慰めや関わりを避けてしまうような行動をとってしまい、
助けを求めたいのに自分からはそれができない、という悪循環にはまってしまうとのお話でした。

心にかかった訴えの歯止めをはずしてあげるには、
先に説明した「子どもに触れてあげる」ということがとても大切なんだということでした。

この心に歯止めがかかった状態というのは、
簡単な言葉にすると「すねた」状態ということらしく、
実際にすねた気持ちを体験し紐で引っ張り合うというワークをしました。

2人組みで子ども役の人がすねた気持ちを味わい、
母親役の人が紐を引っぱったりゆるめたりします。

紐をゆるめられると本当に見放されたようでとても寂しい感じがし、
ちょうど同じぐらいの力で引っぱてもらうと、
自分の気持ちを聞いてもらっている受け止めてもらっているという感じが味わえて、
ほったらかしにせずちゃんと体に触れて抱きしめること、
子どもと同じぐらいの力で付き合うことの大切さがよくわかるワークでした。

会の最後に「私にふれてください」という絵本を紹介されました。
2人一組で背中合わせになって下和田さんが朗読されている詩に心を傾けていくと、
背中で触れ合っている相手の方のぬくもりが心地よく伝わってきて、
私たち自身が癒されるようなひと時でした。

抱っこ法の説明は一言では難しいんですとおっしゃるように、
この1時間半の時間をかけて、ようやくその入り口を垣間見た程度かもしれませんが、
ここには子どもにとっても私たち大人にとっても大切な何かを教えてくれる、
そんな可能性を感じました。

次回、いよいよ対談が始まりますので、お楽しみに♪

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