一樹:
10年以上前に初めてお二人は出逢い、
榊原さんは『伝える』という立場で表現され、
杪谷さんはディレクターなどの空間作りということで活躍されて、
どんどん回を重ねるごとにこの『木を植えた人』という
物語の深みが増してくるように思うんですが、
この本が伝えているメッセージをお二人はどう捉えていらっしゃるのでしょうか?
榊原さん:
僕はね、『生きる力』ですね。
作品の主人公のエルゼアール・ブフィエが生きたという。
彼は、奥さんと息子さんを亡くした失望感の中で
彼にできることが『木を植えること』。
つまりどんぐりを植えこんでゆくことだということ。
結局、80代まで生きたという人生の中で、
ほとんど話すことのない本の主人公が持ち得た力。
結果的にどんぐりから芽が生え、
木になり森になり、
やがてそこで生活する人達に全てを与えている。
その力を僕は朗読を通して表現させてもらっている。
ただ、その力というのは
『たくましい』とか『強い力』ではないんです。
やはり、継続する力なんです。
そして、本当に人の心に届く薄く小さい力かもしれないけれど、
私はその力を受けて続けています。
一樹:
今、世の中はこういった環境問題で
どうしても環境のことで、この物語を捉えてしまうことも
あるかと思うんです。
でも、榊原さんがおっしゃったように著者であるジャン・ジオノさんや
主人公の人間力というか、命の活かし方を僕は感じました。
今回のきらきら塾では、その人間力をお伝えしたいと思っています。
榊原さん:
そうですか!!
嬉しいですね。
杪谷はよく言っているんですが、
環境問題でこの物語を語ってもらうと
それで終わってしまうと・・・。
杪谷さん:
環境問題って、一つの流行りみたいになっていますよね。
流行りというのは、いつかは廃れるんです・・・。
一樹:
なるほど。
杪谷さん:
我々も朗読というのが、一時は流行りそうになったんですね。
ブームになるとブームは必ず終わるんです。
僕らは終わるために活動しているのではないので、
淡々と続けていきたいと思っています。
なので、年間に100回しようが20回であろうが続けてゆくことには
変わりないです。
一樹:
本当に素晴らしいですね!
杪谷さん:
それはそれでいいんです(笑)
過去10年で257回で8000名以上の方が
聞いてくださったという事実は変わらないんですから。
皆さんの記憶のどこかに残っていただければ、
それでいいんじゃないかと思いますね。
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