絵本『だいじょうぶ だいじょうぶ みんな 大好きだから』

一樹:
さて、そろそろ後藤さんのミドルネームでもある
『一本足』という、片足を無くされることになったエピソードへと
入っていきたいと思うのですが。
後藤さん:
それから、結婚をして好きなことをしながら家庭も上手に築けて、
そんなに苦労もなくやってこれたんだけれど、
本当に一番最初にスイッチが入ったのが、
片足を失う前に起こしてしまった事故・・・。
一樹:
伝えにくい事もあるかもしれませんが、
もしよろしければお話いただけないでしょうか?
後藤さん:
38歳の時に、車関係のサラリーマンをしていて、
自分は家を建てたいが為に一生懸命仕事をしていて、
お金を稼ぐことに必死になっていた。
そんな冬休みのある日、しょうもないんだけれど(笑)
嫁さんから「大根買ってきて!」と言われて、
「あ~、いいよ~」と言って車に乗って、
右へ行けばスーパー、左に行ったら無人販売で大根が売ってる。
「新鮮な方がいいだろう!」と思って、
無人販売の方へビューンと走ったら、いきなりフロントガラスが、
バ~~~ッッン!!!!!
と割れて、思わず急ブレーキをしたら、
田んぼまで人が飛んでいた・・・。
一樹:
・・・。
後藤さん:
「うわ~~!!!跳ねてしまった~~!!」と思った途端、
「逃げたい!!!!」と思う自分と、「いかん!!いかん!!」
という自分がパニックになっていて・・・。
「逃げたら全て終わりだぞ!!」って言ってる自分がいて。
そんな時、ちょうど対向車がたまたま来たから無理やりに止めて、
それで偶然300m先に交番があったから、対向車の方に、
「すみません!僕、人を跳ねてしまいました。
なんとか今この場を見ていてもらえませんか?」
とお願いして、すぐさま交番に向かった。
たまたま、その対向車の方がいてくれたことで、
僕の心も落ち着いて。
それで、交番に行って「実は人を跳ねてしまいました」って伝えたら、
「なに~~!!!???」っていう話。
それで直ぐに救急車が来て、
事情聴取して、家に電話したら嫁もビックリして、
子どもはまだ小さかったし・・・。
それで、一通り終わって、
被害者の方は集中治療室に入って、
俺は調書をとって家にひとまず帰って。
自分にできることは謝ることしかできなくて、
病院に向かってすぐさま土下座して、
「すみませんでした!!!!」と伝えたら、
「まだ事情も分からんでいいわ!」と相手の親族が言って。
それでも、自分には謝ることしかできなかった・・・。
自分にはどうすることもできなくて、
その後、毎日お見舞いに行った。
食べてもらえるか分からなかったけれど、
お見舞いの品や、自分で作ったお弁当を持って病院に向かった。
休みの日は朝昼晩と、毎日毎日足を運んで、
「すいません、すいません」って、何度もお見舞いに行った・・・。
そうやって、ずーーーっとお見舞いに行かせていただいた。
それしか出来なかった・・・。
事故を起こした時は、
まわりから1000万円は積まなあかんとか、
そんな声をたくさんもらったんだけれど、
お金で解決することじゃなくて、
お金で解決するのは保険屋さんであって。
そのうち、毎日お見舞いに行ってるから、
病院でも有名になってしまって・・・。
被害者の奥さんが居なくても、
「後藤さんならいいですよ」って言って、
病室まで案内して下さってお見舞させていただいて。
でも、それから3ヶ月後に旅立たれてしまって・・・。
一樹:
・・・。
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