
原さん:
最初はやっぱり笑われましたよね。
「こんな時代に炭焼なんて絶対無理だ、時代錯誤だ」って。
「できるわけがない」ってさんざん言われました。
でもぼくは「できる」って思っていたし、
ある意味、「一人の人間の力を侮っちゃいけないよ」って思っているんですよね。
というのは、歴史的なすごい大事件なんかでも、
どんどんきっかけを遡っていくと、
たった一人の人間の、「周りから変わり者、変人だ、馬鹿だ」
って言われているような人間の情熱から始まっていることがあるんですよね。
そういう歴史的出来事って結構あるんですよね。
その人、一人が動かなかったら歴史上起きてい出来事って
沢山あったはずなんです。
一樹:
そうですね。
原さん:
それで僕はたった一人だったけど、自分が今の世の中の流れに対して
「何かできる」って信じていたし、
そういう意味では自分を疑った事は一度も無いんですよ。
それで状況が厳しければ厳しい程燃えるというのもあったし、
あとは厳しいという事はイコール『学ぶ事が多い』って事じゃないですか。
「何が問題でこんなことになっているのだろう」って自分は感じることができる。
多分、大会社の社長さんは分からない。
肌で感じられないから。
僕はもう現場で感じてきたことなんで。
そうすると今度、ただ炭を焼いている事よりも
伝える事の方に情熱が向いてくるんですよね。
一樹:
また新たな役割ですもんね。
原さん:
だって自分一人、山の中で一生懸命
炭を焼いていたって変わらないですから。
現状は何もね・・・。
かと言って政治家になる気はないし。
つまり常に『現場』っていうものを自分のなかで片方に持ちながら伝えるという、
このスタンスが一番強いだろうなと思ったんです。
と言うのは、周りを見渡した時に、
やってるだけの人はいっぱいいるんですよ、農業にしても何しても。
それで完結していて、それはそれで素晴らしいんですよ。
逆に言っているだけの人もいっぱいいるんです。
評論家とか、なんとかジャーナリストみたいな。
でもどっちも伝えるという意味では「片手おちだよなぁ」と思って。
現実に動いている人が伝えるという、これ以上の説得力は無いんですよね。
一樹:
行動と伝えるというところのバランスが、
きちっと取れているからだと思うんです。
原さん:
そこは自分の中では大事にしたいなと思っているんですよね。
だから今はもう伝える方にスタンスが、軸足がいっているんだけども、
でも炭を焼かなくなっちゃったら、僕の声は届かなくなる。
一樹:
原さんの中で14年間周りからも
最初はなかなか受け入れられなかった炭焼き職人という仕事を
どうして今まで14年間も続けてこれたのですか。
続けてこれた秘訣はありますか?
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