
原さん:
そう。
だから、「もっともっと」って欲しがっているうちは
いつまでも満たされなくてね。
そういう考え方で生きていると何かが手に入った時、
また次の何かが欲しくなるに決まっているんですよ。
だけどそうじゃなくて、「もうすでに幸せは自分の目の前にあるんだ」
っていうことに『気づく』ことさえできれば、後はもう幸せの積み重ね。
上に積み重ねていくしかない。
だって元々幸せなんだから。
すごく満たされているわけだから、何か小さなことがあったら、
「また幸せになった、また幸せになった」って満たされていく一方。
求めると満たされない一方。
面白いよね。
だって求めてばかりいるうちは、いつまでも与えられないのに、
自分から与えると、どんどん与えられちゃうっていう。
一樹:
本当にそうですよね。
どれだけ足元にほんとうの幸せがあるか。
ついつい、見落としてしまいがちですよね・・・。
原さん:
多分お釈迦様とかもそういうことを言っているのかな。
僕お釈迦様とか全然知らないんだけど、
昔の人ってそういうことに気づいてたんじゃないのかな。
昔の人っていう言い方は変だけど、今まで賢者といわれる人が言い
残してきた事も多分そういうことじゃないかな。
でもそれも、聖書読んだりして気づくんじゃなくて、やっぱり自分が経験して
初めて気づけるものだから、例えば今日こうやってお話をして、
きっかけにはなれるかもしれないけど、本当にそれが自分のものになる為には、
一人一人が経験するしかないと思うんですね。
そう思った時に、語って伝えられることに限界があることも
自分でわきまえてないと、下手に講演とか頼まれていると、
なんとなく自分が何か立派な事をやっているような気になってしまう時がある。
それもちょっと戒めなきゃいけないなって思いますね。
「たかだかきっかけですよ」っていうこと。
だから逆にいうと、若者が何かにチャレンジしようと思っているのをね、
「絶対こいつは失敗するぞ」って思っていても、
黙って見守ってやるのが僕は愛情だと思っているんですよ。
みんな逆だと思うんですね。
「だって失敗するって分かっているんだから止めてやろうよ、
止めてやんなきゃかわいそうじゃん」って言うけど、
でも自分で経験しないと絶対分からないから。
で、大事なのは失敗した時にそっとフォローしてやること。
でも教育なんか見ていても、そこを履き違えている
親御さんの方が多い気がするんですよ。
子供に失敗させたくないから、「こうしちゃダメ、ああしちゃダメ」って。
でもね、はっきりしているのは、
「親の方が先に死にますよ」っていうこと。
自分が死んだ後、「じゃぁどうするの?」って。
やっぱり一人で生きていくしかないじゃないですか。
その時に色んな失敗したり転んだりした経験がある人間は
一人で生きていけるんですよね。
でも、親に「こうしちゃダメ、ああしちゃダメ」って言われた人って、
それこそ何もできない。
一樹:
そうですね。
原さん:
よく最近例え話でお話するんだけど、「教育って何だろう?」って考えた時に、
例えばみんながある一つの村で暮らしているとする。
その村の近くに川があるとして、
今の教育って子供たちに「川は危ないから行っちゃダメよ」
っていうのが教育だと思っている。
そうじゃない、本当の教育ってね、
泳ぎ方を教えることだと思うんですよ。
もっと言ってしまえば、大人が楽しそうに泳ぐ姿を見せること。
これが僕は一番の教育だと思うんですよ。
今はそれをしない、大人自身がやっぱり泳ぎたくないし、
泳ぐのはしんどいし、リスクがある。
でも、いつかは川を泳いで渡らないといけない時が来るわけでしょ。
何かがあった時には、その時に誰も泳げなかったら
みんな生きていけないわけだから。
そう思った時に、もっともっと子供の失敗や挑戦を認めて
褒めてあげたいですよね。
「失敗した」っていうのは、少なくとも挑戦したから失敗したわけであって、
だから、そういう意味で減点評価はやめて加点評価をしましょうと。
とにかく挑戦したことを褒めましょうって思うんですよ。
結果はどうであれね。
でも、今の日本はそうではない。
結果だけ見て、ダメだったらそのことを凄く非難する。
それでは、ますます縮こまっていくでしょ。
大人がまず縮こまっているから、
子供に伸び伸びとやらせられる訳がないじゃないですか。
大人が失敗する姿をもっと見せていいんじゃないのかなぁって思う。
一樹:
胸張って大人が失敗する姿を体験的に見せる。
ピースフルの対談にも登場しているてんつくマンや
てんつくマンと親交のある中村文昭さんが
「俺らは失敗先発部隊だ」ってよく言いますよね。
僕も偉そうに言える立場ではないですが、
「一番最初に失敗するんだ」と胸を張って言う大人が今は少ないですよね。
どうしても「失敗」 イコール「恐れ」になってしまいます。
原さん:
そうそう。
だから、「失敗はとても恥ずかしいことだ」って。
しかもたかだか一回失敗したぐらいで
絶望的な気持ちになっちゃう人が、
特にエリート的な人たちに多いでしょ。
「これで俺の人生終わった」みたいな。
失敗はいいと思うんです。
ただその失敗から何を学び、どう這い上がっていくか。
傷つきながらも、どう持ち直していくかっていう
後姿を見せる事しかできないんですよね。
だって失敗せずに生きていけないもん。
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