
一樹:
今まで原さんは「夢は絶対叶う」
というテーマで講演されていましたよね。
少し前に一度絶望を味わった経験をされて、その時に経験された
『落ちたら深いところにもっと潜れ』っていうお話が、
僕はすごく印象的だったんです。
どういう経緯があってまた這い上がってきたのかという、
その辺のエピソードをぜひ聞かせていただけますか?
原さん:
はい。
今もまだ流行っている気がしますけど、
僕もめちゃめちゃプラス思考な人間だったんですよ。
でもね、プラス思考プラス思考でいくと、段々限界が分からなくなってしまう。
しかも自分は人に「限界なんて自分が決めているんだよ」と言ってる手前、
自分は「しんどいなぁ」と思っていても
「ちょっと待てよ、その限界も俺が決めてんだ」って思ってしまって。
「まだまだ行けるぜ!」って(笑)
一樹:
あっはっはっはっは(笑)
原さん:
ちょっとしんどい事に気づいているのに、また自分にプラスの言葉を投げかけて
まぁ頑張っちゃったんですよね・・・。
で、僕は炭焼き職人だったはずなのに、
気がつけば、だんだんと伝える側(講演活動や執筆)に
チェンジしてきているんですね。
自分で走っている部分も、もちろんあるんですけど、
それでも去年がそのピークだったんです。
去年、『温暖化を止める』という
てんつくマンの活動『チームGOGO』の100万番長っていうのを引き受けて。
【活動資金の一部を番長として集めること】
もちろん自分の意志で引き受けたんすが、
その時期は炭焼きのシーズンだったんですよね。
それで、もうヘトヘトになるまで走り回って、
ようやく炭焼きのシーズンが終わって100万番長が終わった段階で、
ちょうど去年本が一冊出る事が決まっていて。
その本の出版の日取りが決まっていたんで、
その締め切りで、まためちゃくちゃ集中して仕事をして、
「あぁようやく本が出た」と思ったら、今度は講演の予定が入っていて・・・。
あちこち飛び回って、気がついたらもう11月ぐらいだったんですよね。
それでまた11月くらいから例年炭焼のシーズンに入るんだけど、
もう本当に「精魂尽きた」っていう感じで全然山に向かう気力が無い。
で、また頑張れない自分をプラスの言葉で励まそうとするんだけど、
何やったってダメなんですよね。
今まで何しても『ダメ』っていう経験がほとんど無かったので、
「やぁおかしいぞ、おかしいぞ」と思いながらも、気がついたらもう・・・。
後で知ったんですけど相当体に無理がきていたみたいで、
内臓にヤバイ異変があったのに全然医者も行かないし、
「こんなの気のせいだ」みたいな、
「病は気からだ」って頑張りすぎていて(笑)
「どこまで前向きやねん!」ていう話なんだけど(笑)
一樹:
あははははは(笑)
原さん:
でも結局ね、何もできないことには変わりなくて、
今度は焦りが入るんですよ。
だって時間は過ぎてくでしょ。
『笑顔は無限力』っていう本を出した直後だったんですけど、
『その本』のテーマが「笑っていれば大丈夫」。
「笑っていれば大丈夫」っていうテーマで本を書いた直後の自分が
もう笑えなくなっちゃっていたのね、もう疲れきっていて。
下手に医者に行っていたら、
「鬱の初期症状です」って言われていたかもしれない。
それで「炭師原伸介、笑顔は無限力」っていう本が出たのに、
炭師原伸介が炭も焼けない、笑顔になれないっていう(笑)
「俺、なんでもないじゃん!」って(笑)
一樹:
あっはっはっはっはっは(笑)
原さん:
あっはっはっはっはっはっは(笑)
「俺、大嘘つきじゃん!」って(笑)
「誰が書いたんだこれは、どんな無責任なやつだ、責任者出せ」
みたいな(笑)
だから怖くて人に会えないわけですよ、だってそんな本を出した人間だから。
「炭も焼いていて、しかもいつでも笑顔に決まっている」って思って
みんなに会いにくるわけでしょ。
その本人がもう全然笑えないし、疲れ果てている、炭も焼けない。
で、もう自己否定が始まるわけですよ。
「なんて事をしてしまったんだろう、大嘘つきじゃねぇか俺は・・・」って。
自分で自分を責める訳です。
もう怖くて人に会えないし、電話も取れないわけですよ。
本当にこのまま社会からフェードアウトしていきたいとか(笑)
はっはっはっはっは(笑)
南の島で一人で暮らしたいとか(笑)
一樹:
あっはっはっはっはっはっは(笑)
原さん:
訳分からない事を考え始めるんだけど(笑)
でもそんな訳にはいかないでしょ、現実社会。
本も売れていくわけじゃないですか。
変な話、「売れないでくれ」とまで思って。
「この著者はいつでも元気で笑顔で炭焼きもバリバリで」
っていうような事を書いてある訳だから。
で、下手に人に会えば「炭焼いてる?」「炭焼き大変ね」
って言われる時期に入っちゃうわけですよ、時間は止まらないから。
どんなに自分が焦って何もできなくても。
で、12月になって1月になって、
「やばい、まだ山に行けない」って(笑)
自己否定の連鎖になった時に、もう要は『引きこもり』ですよね。
引きこもりだからとにかく布団に入ってウジウジしているわけですよ。
「やばいなぁ、もう何もできないなぁ」って。
そうすると、引きこもっているから何もする気力が無いんだけど、
ずーっと布団の中に入っていると、布団がちょっとジメッとしてくる(笑)
ちょっとやな感じでしょ(笑)
一樹:
(笑)
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