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炭師:原 伸介

第9話 『受け入れ思考』とは

093

原さん:
つまり「本気」っていうのは、本気で突っ走るっていうのでは無くて、
「本気で許す、本気で受け入れる」っていう風に使った時に、
もっともっと世の中が優しくなると思うんだよね。

だから、いちいち「お前本気を出せよ!」
「本気が足りねぇんだよ!」って言う人は、
実は本気でまわりを受け入れていないんだよね。
本気で許せた時にはそういう言い方になるわけがないもん。

黙って見守るとか、そっとフォローするとか、
それが本当の「本気」だよなって思えたの。

だから声高に叫べるような本気って、
自分の中で今はかっこよろしくないなって(笑)

それから努力も同じ。
例えば夢をかなえられないのは「お前の努力が足りないからだ」
っていう言い方をする人がいるじゃない。

「言っているあなたは努力してもどうにもならない人の
気持ちを慮る努力が足りないですよね」
って逆に僕は言ってやろうと思っている。

「そこに努力が足りないんじゃないですか、
あなたもそこを努力したらどうですか」って。
そういう言い方できるよね。

一樹:
そうですね。

原さん:
そう思った時に、突っ走ることも素敵なことだけど。
もうこれからはね、プラス思考を卒業してマイナス思考でいこうって(笑)

一樹:
あっはっはっはっは(笑)

原さん:
あっはっは(笑)
マイナス思考って、別に「落ち込め」って意味のマイナスじゃなくて。
『受け入れ思考』って言ったらいいんだと思うんだよね。

一樹:
受け入れ思考!
いいですね!(笑)

原さん:
突っ走る人がいるんだったら、受け入れる人も必要なのよ。

ていうのは、ずっと突っ走り続けられる人もいるよ。
でも必ずどこかで転ぶ人が出てくるわけよ。

突っ走り続ける人って転んだ人に対して結構厳しかったりして、
さっきの話じゃないけど「それはお前の本気が足りないからだ」って。
「もっと本気で突っ走れよ!」みたいな(笑)

一樹:
あっはっはっはっは(笑)

原さん:
だから、転んだ人を僕は受け入れましょうと。
「いいんだよ」って。

てんつくマンと文昭さんが「やってダメならもっとやれ」
って、それも一つでしょ。

でも「やってダメならひと休み」でもいいじゃん。
みんながそうする必要ない。

「じゃあ一休みの人集まれ!
俺、マイナス思考だから!」って(笑)

一樹:
あっはっはっはっは(笑)

原さん:
世の中は陰陽のバランスでできているから、
絶対どっちかだけだとおかしくなるんだよね。

今、プラス思考の勢いがすごいじゃない。
だからやっぱりバランスがおかしくなっている気がするんだ。

プラス思考が大きいなら同じだけマイナス思考、
つまり受け入れ思考がないとバランス取れないじゃない。

「じゃあ俺、マイナスも~らい」って感じ(笑)

家庭で言えば、お父さんとお母さん。
お父さんは元々厳しい存在じゃない。

例えば、自転車に今日も乗れなかったって、
言った時に、お父さんが厳しく叱り付けたりするよね。
「お前の練習が足りないからだ、もっともっとやってこい!」って。

でもやっぱり乗れなかった。

その時に家に帰ってきて、
家にもう一人お父さんがいたら辛いじゃない(笑)

もう一人いるのはお母さんだよね。
お母さんは何も言わずにそっと、
温かいお味噌汁を出してくれたり、
「頑張ったね」って言ってくれたり。

お母さんがいるから子供は生きていけるわけじゃない。

でもお母さんだけでもやっぱりいけないところがあって、
どこかで強くなければ生きていけない部分がある。

その子供の人生の前に立ちはだかるお父さんと、
うまくいかなかった時に、受け入れてあげるお母さんがいて
初めて子供って安心して育つし成長できると思うんだよね。

今、世の中はお父さんしかいない状況で
みんなプラスプラスプラスプラスじゃない。

プラス思考も素敵なんだけど、それが浸透してきちゃうと、
今度は「プラスになれない自分を責める」
っていうのもすごく切ない状況になるんだよね。

「なんでこんなに自分はプラスになれないんだろう・・・」って。

一樹:
お母さんの母性愛のような、そういった「受け入れる」ということや
男性性、女性性のバランスがあるようにとても大切なことですよね。

原さん:
そうそう。

男がそうだと思うんだけどね、すごく目的意識的な事を言うわけ。
つまり「何のためにやっているんだ?」「何の為に、何の為に」って。

でもさ、世の中別に「何の為に」だけで
成り立ってるわけじゃない。

何の意味も無くても、人の気持ちをほっこりとさせてくれる。

例えば言い方は悪いかも知れないけど、学校の勉強が全然できないけど、
いつでもニコニコしている人がいたとするよね。

そういう人に、「もっと努力して勉強できるようになれよ!」
って言う必要は無いと思うんだ。

さっきの、「いかに在るか」じゃないけど、
その人はただ生きてニコニコしているだけでお役に立っているんだよね。

でも、今の世の中そうじゃないじゃん。
結局結果が出せなかったらダメだ!みたいな。
そういうのはしんどいよね。

何かができることよりも、優しく生きていけることの方が
大事なんじゃないかなぁって。
ぼちぼち、自分も含めてそれに気づいてもいい時なんじゃないのかなぁ。

そう思って講演させてもうらうと
寄せられる感想が変わってきたのよ。

昔はね、「元気になりました!勇気がでました!」っていうのが
抜群に多くて、それが嬉しかったの。

最近は、自分の中の意識が変わってからは、
「ホッとしました」「すごい優しい気持ちなれました」「安心しました」
って言ってもらえることが多くて、
「あぁ、そっちの方が大事だな」って。

一樹:
なるほど。
起こることは、やはり自分の鏡なんですね。

原さん:
ずっと元気でいると疲れるんだよね(笑)
僕はね、『元気のリバウンド』って言い方をしているんだけど(笑)

一樹:
あっはっはっはっは(笑)

原さん:
あっはっはっはっは(笑)
絶対、リバウンドがくるんだよ、イケイケでやっていると必ず!

一樹:
ホントそうですよね!(笑)
僕も経験済です(笑)

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