リュート:
ピースボートは三ヶ月かけて世界中を回るわけだけど、
三ヶ月って言う時間の中で自分がどれだけ変わったかって言うのは、
その期間中はあまりわからなくて、
帰ってきてからわかるものなのかなって思うんだけど、
旅の間にそういう変化は感じてた?
ミミ:
いえ、感じていませんでした。
ただ旅を楽しんでいて、自分を見つめる時間とか、
自然を感じたり、わいわい騒いだり、
寄港地では現地の人を渡り歩いたり、
英語はできないけど交流したり。
そんな時間をゆるゆると過ごしているうちに
かなりすっきりしました。
百二日くらい船の上にいて、青い海を見て、青い空を眺めていて、
知らないうちにシンプルな考え方…
やりたいことだけをやっていきたいなっていう気持ちに、
いつの間にかなってたみたいなんですよ。
リュート:
なんか、魔法みたいだよね。それって。
ミミ:
あはは(笑)。
リュート:
なんか、洗濯したみたいだよね。
何十年生きてきている中で染みみたいなものができたり、
それが汚れなのかどうかはわからないけど、
それも経験なんだけど、なんか古びちゃう感じというか、
だんだん汚れみたいなのが付着してきて、
それが年を取っていくってことなんだけれども。
その三ヶ月の間に現実から離れて、
普段は体験できない空間…空と海と船と人と、
そういう中にいて、
いろんなところに連れていってもらいながら旅をして、
気がつくと洗濯されて真っ白になってるんだもんね。
ミミ:
そうですね。
リュート:
僕はピースボートにはまだ乗ったことがないから、
それは話としてはわかるんだけど、
実感としてはわからないんだよね。
ただ、僕にも別の形で
ピースボートによく似た体験があるなって今思ったんだよね。
二十二歳のとき、僕は結核になって七ヶ月病院にいたんだけど、
結核病棟ってのは隔離されるから、
そこの患者さんたちとずっと寝泊まりする感じなんだよね。
で、空気のいいところに病院はあるから、
田んぼと森だけに囲まれた自然の中にある世界。
入院患者さんたちは、いろんな年齢層の人がいて、
それぞれの人生があるわけで、時間はたっぷりあるから、
その人たちといろんな話をするわけ。
おかずを作ってくれたり、散歩したり。
そこで僕は社会とか、人の温かさとか、
つながりとかを初めて深く体験したんだよね。
もちろん病気を治すためだし、自由はないし、
当時は刑務所みたいに思っていたけど、
今思うと、僕にとってのあの経験は、
ピースボートの要素を含んでいたのかもしれないなって。
何かを変えてもらった感覚がある。
今までとは違う人と環境の中に入ることで、
自分の中の何かが変わるのかもしれない。
ミミちゃんにとってはピースボートが
今の自分の出発点なのかもしれないね。
ミミ:
ほんとそうです。あれが出発点になってます。
リュート:
でも、ピースボートに乗りたいって決めた時点では、
そういう話を聞くわけでもないし、
なにか結果を期待するわけでもなく、
ただそれが「必要だ」って思って乗るわけだよね。
お金だってかかるし、時間もかかる。
そこで決めるのはかなり勇気の要ることだと思うんだけど、
ミミちゃんが乗るって決めた理由はあえて言うならなんだろう?
直感ですって言われればそれまでなんだけど。
ミミ:
直感です!!(笑)
リュート:
(爆笑)
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