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にこ蔵さん

第8話:初めての個展

0810

にこ蔵さん:
同級生のお父さんのお葬式があったのですが、
体調が悪くて参列できない同級生がいました。

子供の頃はとても仲が良かったのですが、
少し疎遠になっていて、でも気になったので、
その幼なじみの元に行きました。

訪れてみると、留守だったので
自分の作品をポストに入れておいたのですね。

翌日、会える事が出来て
色々話を聞いているうちに彼は「実は…俺、うつなんだ…」
と語り始めたのですね。

彼は、もともとお地蔵さんが好きで
僕のポストカードを見て、癒されて救われたと言ってくれました。

それから、また個展を開く機会があるのか、という話になり
当時、まったく予定はなかったのですが、一緒にやろうと言ってくれ
それから2人で準備にとりかかりました。

彼は、僕の個展のために本当に力を尽くしてくれました。
まず、作品を飾るための額をオークションで落札してくれました。

僕は紙にしか作品を描いていませんでしたが
書かれた作品をコンピューターで読み取って、
機械でアクリルに彫り付ける
そんなこともしてくれて、最終的な展示の指導までしくれました。

展示のインパクトを出すために、
出来るだけ大きい作品を1つは描いた方が良いとか
こういうレイアウトで見せていった方が良いとかいう具合に。

一樹:
その幼なじみの後ろ盾があって、個展が成功できたのですね。
それにしても、その方はうつを患っているにも関わらず
しっかり、にこ蔵さんを支えてくれたわけですね。

にこ蔵さん:
そうです。
きっと彼のサポート無しには成り立たなかったでしょうね。

彼の家はもともと宮大工をしているので、もの作りの経験が豊富で
僕に、機材や素材、さらには制作の環境まで提供してくれたわけです。

また僕を支えてくれた方を、もう1人紹介したいと思います。
この方は僕の大学時代からの友人です。

僕が、離婚をして、息子と娘との別れが近づいている頃のことですね。
一体、息子と娘に何を言ってあげればいいのだろう、
悩んで、苦しんでいた時に連絡をくれました。

子供達にかける言葉は決まったかと聞かれ
僕は、いや、まだ…。と答えるしかありませんでした。

そうしたら、彼は、自分が同じ立場だったら
どうするかなあと言って、語り始めました。

お前達にこれからどんなことがあろうとも、どれだけ苦しくても
世界中の全員が背を向けて、お前達の敵になろうとも
俺は絶対にお前達の味方だ。それを忘れないでいて欲しい。
そういうことを伝えたいな、と言ってくれたのです。

一樹:
なんというか、とても力強い言葉ですね。
そんな言葉は、なかなか口に出して言えるものじゃない。

にこ蔵:
また、こんなことも言ってくれました。
ひょっとしたら、お前のことだから
こんなことがあって自分を責めて自殺とか考えているかもしれないし
自信も全く無いかもしれない。

だけど、お前のことを悪く言うやつが世界中に増えようが
世界中の全員がお前のことを責めようが
俺はお前の味方だし、親友だからな。
お前と出会えた事は最高に幸せだった。

今までも色んな人に
俺にはこんなに良い親友がいて、
俺の宝だということを言ってきたし
これからもずっと言い続けて行くよ、と。

そんな風に言われて、本当に嬉しくて、
きちんと生きていこうと思えたのです。

その親友や、他にも親戚なども僕をいろいろな形で支えてくださいました。
そういった人達のおかげで今があると言えますね。

だから何か困ったことがあると、
その親友が言ってくれた言葉を思い出すのです。
その言葉が僕の原点だと言えるのかもしれません。

一樹:
確かに、人は原点があるとブレないというのはよく言われますよね。
1度立ち返ってから、また、
強く生きていくというような感覚なのでしょうか。

にこ蔵さん:
そう言えると思います。
様々な人が僕にかけてくれた言葉と、目の前の人が喜んでくれるという
シンプルな感動が僕の原点だと思います。

色々なところに僕の作品を紹介してもらい、
僕の活動が様々な形で取り上げられてチヤホヤされると、
ちょっと天狗になってしまっていた時期もありました。
そうすると、だんだんダメになってしまうのですね。

その時に、もう1度原点に帰ろうと思いました。
目の前の人を喜ばせることと、
家族や様々な人の支えを感謝しながら生きていくこと
この2つを意識して歩み直しましたね。

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ディスカッション

One comment for “第8話:初めての個展”

  1. すごいなぁ〜 
    ホントに、そういう出逢いがあっての
    あのお地蔵様が描けるんですね☆

    6月のきらきら塾 楽しみにしています♪


    Posted by さらちゃん | 6 月 5, 2009, 22:01:23

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