
幸ちゃん:
そんな状態が続いていて、
徐々の変化だから、分からないんだよね。
一樹:
なるほど。
幸ちゃん:
だから症状的にはむくみが酷かったとかいうことはあっても、
後は特に血液検査をして経過観察して、
肝機能を維持する薬を飲む以外できることは無かったんだよね。
今は親切にたくさんの医学情報が簡単に入手できるじゃない、
そうするとC型ウイルス性肝炎にかかって、
何年後には大体こんな風になるっていうのが全部分かるよね。
まぁ信じなきゃいい話なんだけどね。
一樹:
実感できたんですね。
幸ちゃん:
そう。
だから家の準備もしたし、しょうがないなと思ってね。
一樹:
それが何となく分かっていたんですが、
実際余命一年だって言われた時に一番最初に何を思いましたか?
幸ちゃん:
余命一年だと言われたから移植をしようと思った訳ではなくて
移植という事はね、僕のちょうど一回り離れた兄貴も
僕が移植をする2年前に肝臓移植をしていて、同じ病気で。
それで兄貴が元気そうにしていたから
こういう方法もあるんだなというのは知ってはいたのね。
ただ、僕自身が移植をするっていうのはあまりイメージしてなかったね。
一樹:
はい。
幸ちゃん:
ずっと世話になっていた大学病院が東京にあって、
そこの病院の先生は物凄く有名な先生でね、肝臓内科では。
それでセカンドオピニオンを何人かの先生に聞きに行ったんだけど、
「あの先生の治療法であれば、まぁそれ以外やりようがないよ」っていう、
そんな感じだったから、もうしょうがないな、と思っていたのね。
それで移植という情報を兄貴から聞いて、その先生に
「先生、移植っていう医療技術があるって聞いたんですけど」って言ったら、
「移植・・・。あるけど、待っても来ないよ」
って凄くサラッとかるーく言ってくれたんだよ(笑)
一樹:
(笑)
幸ちゃん:
「僕はもう死んでいくだろうな」と思っていたのに、
その言葉を聞いて
「あぁ、この先生に付いていたら殺される」って思ったんだよね。
死にたく無かったんだよね、本当はね。
まぁしょうがないな、とあきらめていたんだよね。
その時には移植というのが光になるかどうかも
僕の中でも全然まだ定かでは無かったんだけど、
きっとこれしか無いんだろうな、と。
だから聞いてみて、その先生が
「大変残念ですけど、なかなか来ないって聞いていますが、
僕も全力を尽くしますよ」とかね。
「今の治療でやれるところまで一緒に頑張りましょう」とかって変にね、
同情してくれたりとか力を貸してくれるようなことを言ったらきっと僕はね、
その先生から別れることは出来なかったんだよね。
一樹:
なるほど。
幸ちゃん:
でもすごく爽やかに言ってくれたから、
別の移植の方に踏み切れたっていう。
一樹:
なるほど。
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