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サンマーク出版 編集長:鈴木七沖

第4話 本にたいする想い

一樹:
杉ちゃんからも伺ったんですが、
鈴木さんの本に対する想いが
素晴らしいという話をお聞きしました。

今まで12年、がむしゃらに出版業界で活躍されてきた中で、
ぜひ、鈴木さんにとっての本への想いを聞かせて頂けますか?

鈴木さん:
ありがとうございます。
僕は元々、演劇が大好きだったんですよ。

というのは、自分が演じるのではなくて
舞台を作ったり制作する側がとっても好きだったんですね。

実は高校時代から、唐十郎(からじゅうろう)という劇作家が主宰する、
当時は「赤テント」っていう名のテント芝居があって。

今は「唐組」名義で活動されていますけどね。
寺山修司の「天井桟敷」と張り合うぐらいのアングラ劇団がありまして。

そこに、高校時代によく通っていたんです。
で、高校を出てからは「天井桟敷」にいた方が作った劇団に入って、
制作に関わらせていただいたあと、結局は大学に入り直すんですけど。

それで入ってみたら、全然イメージと違ったし、
ちょうどバブルを迎える前だったんで、
何だか全体的に浮き足だっていて
僕には合わなかったんです。

でも、辞めるわけにはいかないし。

一樹:
なるほど。

鈴木さん:
どうしようか迷っている時期に、
うちの母親が昔からオートクチュールという、
その人に合う特注の服を作る
仕事をずっとやっていたんですね。

それで、たまたま小泉今日子さんの
デビュー時の服を担当していたんですよ。

一樹・杉ちゃん:
ええぇーーー!!!

鈴木さん:
まだアイドル歌手の時ですけど、
それで服や物作りにも興味があって、
あとは舞台衣装にも関心があったし。

大学の単位を早々と取得し、
アルバイトをしながら文化服飾学院に通い始めました。
そのあたりから、いろいろ興味がわいてきたんですね。

西洋の人ってドレスを着るじゃないですか。
日本の着物のように「纏う」ではなく、
肉体に合った着方ができて、
その人のパーソナリティーを演出する。

その辺のさじ加減みたいなものに関心があったんです。
肉体と布の関係性を追及するために、
シーチングという練習用の布を巻きで買い取り、
洋裁用のボディを相手に立体裁断をやりながら
徹底的にパターンメイキングの勉強をやりました。

余談ですが、その時に得た感覚が、
形や表現は変われども書籍編集に生かされています。

けっこう出版社の編集されている方は、
本を読むのが好きとか、自分が作家になりたいという
そういう人ってたくさんいますよね。

一樹:
そうですよね。

鈴木さん:
でも、僕はほとんど本を読まなかったし(笑)

一樹:
(笑)

鈴木さん:
形にする過程が好きなんですよ。

今でもレイアウトするときの文字の行間とか、
あんまり人が目に行かないようなところに、
けっこう想いが入っちゃうんですよね。
あとは色合いとか。

一樹:
職人のようですね。

鈴木さん:
職人って言ったらかっこいいですけど、
よく編集者が「何を大事にしていますか?」の問いかけに、
「良い原稿に仕上げること」と答えるのを耳にしますが、
本作りにおいて原稿を整理したり、原稿を読み込んだりするのは
当たり前のことだと思うんですよね。

僕にとっても良い原稿にするのは当たり前だから、
大事にする条件には入っていないんです。
それは最低限のことなんで。

逆にそれ以外のデザインとかタイトルとか、
本の紙の重さで生じる重量とか。

そういう事のほうが異常にこだわりますね。

最終的には有形の作品なので、
内容がいいだけじゃダメだと思っています。

商品として、本屋さんに足を運んだ時に、
例えば杉ちゃんの『夢・ありがとう』が置かれていて、
まずそこに目が行って、
その後にとにかくレジに持っていってもらえるように
するための一連が僕たちの仕事だと思っています。

「中身がいい!」っていうのは、僕の中では当たり前なんです。
って言ってるだけかもしれないけれど・・・(笑)

一樹:
いや~、かっこいいですねぇ(笑)

鈴木さん:
もう暑苦しい話になっちゃうんですよね(笑)
一応、熱いキャラなんで。

一樹:
いやいや、そんな話大好きです(笑)


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ディスカッション

2 comments for “第4話 本にたいする想い”

  1. 今回の写真は自宅のリビングの本棚を撮りました。
    数ヶ月前、かなりブックオフに売ってしまったので
    正味なところ半分くらいとなりましたが、
    自分が手がける本の「色見本」ができると必ず持ち帰り、
    この本棚の前に置くことにしています。

    一日に新刊二百点もが並ぶ書店様の現場を
    少しでも意識したいというささやかな試みです。

    僕はけっこうブックデザインの色に
    こだわるタイプなので、
    本に囲まれたときの「新刊」の色具合が気になる。

    自宅だとちょっとは冷静な自分になれますので、
    このリビングを即席の「本屋さん」に仕立て、
    ああでもない、こうでもないと考えます。


    Posted by 七沖 | 1 月 2, 2009, 17:48:22
  2. 唐十郎さんのお芝居をリアルで体験されていたんですね~。うらやましいです。
    高校のとき演劇と文芸だったんです。
    唐十郎さんの演劇よりエッセイにとても引きこまれたのを思い出しました。

    色具合に気になるのも納得です。
    本を外見でえらぶところがありますもんね。


    Posted by りーべる | 1 月 10, 2009, 10:44:05

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