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サンマーク出版 編集長:鈴木七沖

第5話 プラモデルを組み立てる感覚

鈴木さん:
だからね、作っているときは怒られちゃうかもしれないですけど、
ガンダムのプラモデルを組み立てている感覚ですよね。

もう必要なパーツが目の前にあるので、
それをいかに組み合わせていくかって。

杉ちゃん:
あの、紙質だとか、暑さ、重さ、色合いと全部。
それとデータ取りをするって話があったじゃないですか。

鈴木さん:
はい。
佐藤弘道(ひろみち)お兄さん、っていましたよね。
大人気の元体操のお兄さん。

一樹:
はいはい。
NHK「おかあさんといっしょ」の?

鈴木さん:
はい。
彼の処女作は僕が企画&担当しました。

あの時も、お母さんが赤ちゃんを抱っこしていて、
片手でお兄さんの本を見ることもあるかもしれないから、
片手で持ちやすい違和感がない本にしたりとか。

あと、この『「原因」と「結果」の法則』を作るときも、
100年前の本なんですけど、
これもけっして古びた感じにならないように、
でも古いからこそ持っている大事な内容を表現するために
感じの良い書体にしたりとか。

そのへんは、楽しみながらやっていますね。
だから本作りは自分に合っているなぁって思います。

一樹:
サンマーク出版さんが出される本は個人的にファンなんです。

鈴木さん:
ありがとうございます。

一樹:
必然的にも、僕が自分で手にした本が
鈴木さんが担当された本ばかりだったんですね。

佐藤初女さんの本や、このあと紹介していただく、
『いのちのまつり』だったり。

いくつかの本を読ませていただいて、
僕の中で前から感じていたことがあったんです。

鈴木さんが担当された本って、どれも頭に入ってくるよりも、
ここ(胸に指をさして)に響く本だと思うんですね。

鈴木さん:
それは嬉しいなぁ。
「勝負」という言い方は好きではないけれど、
雑誌編集部に入社した時の違和感を克服するために、
早く自分のスタイルを確立したい気持ちは強かったです。

ましてや、スタートが33歳でしたからね。
どこで自分のカラーを出していくかって考え続けました。

同年代の編集者は、もともとが優秀なうえに10年選手でしょう。
同じようなスタンスでは渡り歩けないから。

今、一樹さんが言ってくれたみたいに、
読んでくれた人が、その人の人生の中に残るような
本にしたいという想いはずっとありますよね。

一樹:
結局残るのは、頭でキャッチしたことよりも、
「感動した」という心に感じたことだと思うんです。

鈴木さん:
そうですよね。
それを遡ると、さっき対談を始める前にお話しした
エキスパンダーのバネが外れて、

バ~~ン!!!

ってこめかみにぶち当たって
キラキラ星が散ったときの感覚が、
今思えば活かされているんですよ。

話が脱線しますけど、
小学校4年生……10歳の時にエキスパンダーの事故があって、
軽い脳震盪状態で一夜を過ごしたことがありました。

エキスパンダーの片方を足で持って、
もう片方をバカだから思い切り手で引っ張ってしまったとたん、
バチ~ンと大音響でバネが外れてこめかみを直撃したのです。

クルクル頭が回りながらも、不思議な感覚がずうっと続きまして。
「人間って肉体だけじゃなくて、何か別のもので作られてるんだ。 

今僕が死んでも絶対になにか残るんだよなぁ・・・」っていう感覚が、
何かとてもリアルに残っているのです。

でも、今振り返ってみれば、その出来事が、
僕が追及しているテーマの源泉なんですよね。

人間の生死(しょうじ)って何だろうな、って。
「おぎゃー!」って生まれたことがほんとうは「死」なのかもしれない。
逆に、ほんとうは「死」と呼ばれているものが「誕生」なのかもしれない。

10歳に体験した不思議な感覚、
20代に体験しためちゃくちゃな生活、
30代に見せられた家族の死別体験、
そして今、40代半ばで味わっている、
情報を伝達するというポジション――。

10年ごとに味わった、それぞれの体験すべてが、
自分の中でみごとに繋がっているわけですよ。

一樹:
今のお話を聞いていると、
「いのち」というテーマがありますよね。

鈴木さん:
おっしゃる通りで、
それは自分のメインテーマですね。
命が喜ぶかどうか、誤解を恐れずに言うなら「魂が喜ぶかどうか」。

だから今、仕事とは別に取り組もうとしている
いろいろなプロジェクトっていうのも、
まさしくそのことを言っています。

そのへんの話は、また後で詳しくお話します。

一樹:
はい。


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ディスカッション

2 comments for “第5話 プラモデルを組み立てる感覚”

  1. とにかく無から有を作り上げる作業が好きです。

    とくに本のような「言霊」を扱いながら
    一つの形に整えて行く場合、
    主軸をどこに据えるかによって
    まったく違う本が出来上がります。

    例えば、同じ著者、同じテーマの企画を
    十人の編集者が担当し、編んでいった場合、
    一つとして同じもの形になることはありません。

    だからこそ、編集者の存在って
    大きいと思うのです。


    Posted by 七沖 | 1 月 2, 2009, 17:56:40
  2. それは確かにそうですね。
    その醍醐味が編集者の張り合いでも生甲斐でもあるのでしょうけれど、けれども、そのことを世の編集に携わる方々がここまで自覚、意識されているかどうかってところはいかがなものでしょうか。こうして読ませていただいて、あらためて響いてくる本作りの背景や秘話。。。今回の特集は、私達一般読者にとっては、「本って、こんなに凄いものなんだ」と読書欲を掻き立ててくれ、実際に本作りに携わっているプロの編集者さんたちにとっても「目からウロコ」。。『本作りってそうだったのか!!」と、新たに仕事への使命感を燃え立たせてくれる試みなのではないでしょうか。


    Posted by スラメイ | 1 月 14, 2009, 17:54:45

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