鈴木さん:
で、これは沖縄の話なんで、
「沖縄に表敬訪問に行こう!」ってことになりましてね。
この時、社内ではけっこうブーイングだったんですよ!
絵本はめったに出さない出版社だし。
「こんなのが売れるのかな~」って言われて・・・。
そう言われるとバチッとスイッチが入って、
「よ~し、見ててね~!」って、著者と二人で沖縄に行って、
小学校や幼稚園を読み聞かせをしながら回りました。
沖縄は頭髪がふさふさした人が多いでしょう。
僕のようなピカピカがめずらしいのか、
絵本よりも僕の頭を触りにくる子どもが多くて(笑)
沖縄の稲嶺知事にも表敬訪問しましてね。
沖縄の『清明(しーみー)祭』という
毎年4月・5月のお墓参りのお祭りの話も絡めて。
僕たちが沖縄を回ったことが沖縄タイムズや琉球新報に載って、
それが評判になって九州に伝わったんです。
そうしたら、その話題が九州からどんどん北上していきまして、
とくに全国のお爺ちゃんやお婆ちゃんが広めてくれて、
「ぜひ孫に見せたい」っていうことで。
テレビでも取り上げてくれて、
NHK「てれび絵本」では歌手の夏川りみさんが朗読してくれたりとか、
いろいろなことがあって、今では約20万部までいきました。
今年から1社が発行する小学校3年の道徳の副読本に載って、
2009年からは3年生のほぼ全部の副読本に載るんですよね。
一樹:
すっごいですね!!
僕たち夫婦も、よくお子さんを出産されたお母さんに
プレゼントさせていただいています。
鈴木さん:
嬉しいですね!
だから、この本も僕にとって想い入れがありますし、
これは、今までも誰にも言っていない、
ピースフルだけの話なんですが(笑)
一樹:
ありがとうございます!!(笑)
鈴木さん:
僕は祖父が、実は台湾の人間なんですよ。
むこうで医者として活躍していました。
若いときから兄弟ともに優秀で、お金もあったんでしょうね。
兄弟二人で京都大学医学部に入学して、
学生時代に僕の父を産みました。
で、まだ結婚もしていなくてね。
ましてや日本人の子どもを作ったということで、
強制送還で台湾に連れ戻されてしまったそうです。
ただ、当時はもちろん一般人が乗る飛行機なんてないし、
船も今みたいに客船じゃなかったでしょうし。
どういったルートで来たか分かりませんが、
それでも、海を越えてやってきた祖父の存在があってこそ
親父が生まれて僕が生まれて、
壮大なルーツがあるんですよね。
イメージしか会ったことのないお爺ちゃんなんですけど、
そういうことを想い返してくれたということもあって、
この本は僕にとっても特別な本なんです。
僕の中に流れている中国人のDNAが疼くんですよ(笑)
ちなみに、父親が付けてくれた「七沖」という名にも、
大海を渡ってきた祖父の思いが込められていると思います。
“世界の七つの海とは人が勝手に決めたこと。
すべての海は沖に行けばひとつなんだ”と。
祖父と父を僕は心から尊敬しています。
一樹:
とっても大切な体験ですね・・・
鈴木さん:
実は来年3冊目のシリーズが出版されるんですよ。
一樹:
そうなんですか!?
とっても楽しみです。
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祖父のことを公で話すのは初めてです。
もっと言うならば、
祖母は京都で有名だった歌舞伎一座の娘。
事情あって養女となったところが「鈴木家」で、
同じように養子として来ていた人が、
関西ではもちろんのこと、
世界でも有名な印刷会社の創業者となりました。
名前が僕と同じ「すずきなおき」だったそうです。
昭和初期の京都大学医学部留学生リストには、
今でも祖父の名が記されているでしょう。
何度か探そうと決心し、
台湾まで行ったこともありますが、
出版業界にお世話になりはじめてからは
不思議とそんな気持ちが失せてしまいました。
決定的となったのが、
この『いのちのまつり』との出会いです。
すべてのことに感謝する気持ちがあれば、
重要なのは今、私自身が輝いていることだ、と。
そんなことを気づかせてくれたシリーズです。
Posted by 七沖 | 1 月 2, 2009, 22:04:59
いのちのつながりとは不思議。
私の父は、戦争に行きたくなかった父の叔父が自殺してしまったために
跡取りとして母親の実家の養子になりました。
父は小学生の私に家計図を書いて、よく説明していました。
父の母親に捨てられた思いを感じ取っていたのか、
祖母に対して愛情を長い間感じられませんでしたが、
父が亡くなってから祖母がいてくれたからこそ、
私の命があると思えるようになってきました。
Posted by りーべる | 1 月 10, 2009, 11:22:29