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サンマーク出版 編集長:鈴木七沖

第15話 ダライラマ法王~『思いやり』

鈴木さん:
それで……次はですね。
ダライ・ラマ14世の『思いやり』ですね。

ダライ・ラマ法王サイドから依頼を
いただいてできあがった本なのですが、
以前、日本で「Compassion(思いやり)」
という講演をされたんです。

今までのダライ・ラマさんの本は、
わりと固いイメージと内容の本が多かった。

だから、預かった原稿を今までの本のイメージとはまったく変える、
簡単で分かりやすい編集にしました。

ノーベル平和賞を受賞した時のスピーチと、
波の写真が素敵な佐渡島在住の住職写真家・梶井照陰さんの作品を
コラボレイトさせたり、チベット密教の優しい講和の翻訳を掲載したり。

余談ですけどね、
本って実は16ページの倍数で構成されているんですよね。

一樹:
へ~!
初めて知りました。

鈴木さん:
なので、本によってはむちゃくちゃお尻に真っ白なページが
たくさん余っちゃってる作品があります。

一樹:
ありますね。

鈴木さん:
そこに、自社広告を載せる場合が多いんですけど、
僕は基本的にはそういうことはしないようにしてるんです。

こう言うと会社には怒られちゃいますけど、美しくないから(笑)
せっかく読者がその本に入り込んでいるのに、
後ろみたら出版社のインフォメーションがあるって・・・
興ざめするんですよね。ぼくは嫌いなんです。

一樹:
すごいこだわりですね!
感動しました。

鈴木さん:
だから、16ページに収まりつつ、
尚且つ分かりやすくて、見やすい内容にしたかったんです。

それが、以外と何も考えずにできてしまうんですよ。
それもPCの中で画面上にページを作って、
自分で原稿を落とし込みながら調整をする。

なので、経験を重ねてきたお陰で、
編集してる最中に、「きちんと収まるなぁ」っていうのが分かるわけですよ。

一樹:
経験あっての技ですね。

鈴木さん:
これも怒られそうだけど、ガンダムのプラモデルを作る感覚と同じ。

この『思いやり』は2万部ちょっと読まれました。
実は2008年の11月に、ダライ・ラマ法王が来日したんですね。
そのときの講演集も、「ぜひサンマーク出版で!」と。

嬉しいですね。ワクワクします。
来年の春、おそらく2冊に分けて刊行します。

それで、帯の法王の写真なんですけど、
『アエラ』っていう週刊誌ありますよね。

朝日新聞が毎週月曜日に発行している雑誌ですが、
そこの表紙の人物写真を撮りつづけている、
超有名な坂田栄一郎さんって写真家がいらっしゃるんですね。

僕の好きな写真家の一人です。
ちなみに、坂田さんに単独で写真を撮ってもらうと
3ケタぐらいの費用が掛かる方と聞いたことがあります。

その坂田さんが撮ったダライ・ラマ法王の
写真を、とにかく僕は気に入っていて。

なんとかその写真を『思いやり』に使いたいと思ったんですね。

その写真が法王の日本事務所にも飾られていたので、
「なんとか使わせてもらえないかなぁ」と、
思い切って坂田さんに手紙を書いて送りました。

「難しいかなぁ・・・」って思いましたが、手紙を出した数日後に
坂田さんの方から「ちょっと遊びにきなさい」とお声をかけていただいて。

それで事務所にうかがった時、坂田さんのほうから、
「この写真は、実は自分のなかでも特別な想い入れがあって・・・」
って言うので、「来た来た来た! 膨大な金額がかかるのかな!?」って思ったら、
「想い入れがあってね……法王との約束から、
この写真でお金は取りません」って言って下さったんですよ。

一樹:
え~!!??

鈴木さん:
「法王の本に限ってはご自由に使っていい、と言ってくださったんです」と。

一樹:
本当に気持ちのある
素晴らしい方ですね。

鈴木さん:
そうなんです。
それで、たくさんあるダライ・ラマさんの写真から、
僕はこの写真が一番「Compassion」には合ってると思ったんですね。

『できるだけ、他者を助けなさい。
もし、それができないならば
あなたが他者を害することのないように』

本当にこれは、
今の中国に向けてのメッセージでもあると思うんですけど。
僕の中に流れている「大陸の血」がそう教えてくれます(笑)

それがつまり、『思いやり』につながっているんですね。

一樹:
なるほど、そういう意図があったんですね。
その意図を知ることで、よりこの本に対する見方が変わったり、
深みが増してきます。

この本も、じっくり拝見させていただきます。
それでは、そろそろ次の本へいきましょうか。


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ディスカッション

One comment for “第15話 ダライラマ法王~『思いやり』”

  1. ダライ・ラマ法王のことを知りたくなったきっかけは、
    龍村仁監督作品『地球交響曲第2番』を観てからです。
    (僕が担当した『こころ咲かせて』の著者、
     佐藤初女さんを世に紹介したのも「第2番」です)

    法王のことを知り尽くしているわけではありませんが、
    いちばん共感したのが「利他心」という考え。

    見返りを求めず、すべてに愛を捧げる。
    もっと言うなら、全宇宙の生命を想い、祈る。

    そういう心定めができれば素敵だな、と。

    難しいのはわかっていますが、
    「すべてはやるか、やらないか」(てんつくマン)

    一歩ずつ、一歩ずつ、
    「利他心」がもてる人になりたいと願っています。


    Posted by 七沖 | 1 月 4, 2009, 13:18:01

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